2018/9/10(月) 戻れ、海馬くん

闘病記

前回の更新から三週間くらい経過しました。
妻は、体力はだいぶ回復してきました。
まだ話ができないと状態ではあるのですが、それよりも目下の課題は、記憶障害です。

2018/9/10(月) つま143「戻れ、海馬くん」

入院3週目 8/20(月)〜27(日)

・毎日夕方お見舞いへ。

・行く度に、泣きそうな顔で喜んでくれる妻。妻にとってみたら、昨日までの記憶がないので、起きたら知らないところにいて、不安だらけという状態であるようです。「よく、ここがわかったね!」と言われます。
加えて、日中だれか親族が見舞いにいっても、夕方になったらその事を忘れてしまっているようです。

・まずはじめの質問として、「ここはどこ?」と毎日聞かれます。付箋紙に「ここは浦安です」と書いて貼り、「分からないことがあったら、まず壁に貼ってある紙を見てね」という話をしました。

・妻の体についている管がかなり少なくなり、尿管カテーテルもなくなったので、車椅子で移動できるようになりました。

・自力で食べるリハビリ開始。妻は舌癌で舌亜全摘のため、飲み込みに特別な配慮が必要、という話を病院のリハビリ担当の方にしました。合わせて、妻が食べられるもの(重力でかたまって飲み込めるもの)、器質的に食べられないもの(豆、パラパラした米類)の話をしました。

・妻は現在看護の必要のため個室にいるので、差額ベッド代は不要なのですが、病院の事務の方から差額ベッド代の承認書類にサインを要求されました。
 病院の手違いと思い、経緯説明した結果、なぜか すったもんだした挙げ句、請求はなくなりました。あぶない。知らない人は払っちゃうんじゃないか。

入院4週目 8/28(月)〜9/2(日)

・記憶がない範囲、過去一年くらいかなと思っていましたが、過去二年間の記憶がないことがわかりました。妻は、去年6月に亡くなった、オカメインコの”ぴーたん“がまだ生きていると思っており、かつその後飼ったインコのことは覚えていませんでした。

・結果的には、がんではなかったのですが……
 この4週目の中頃に、病院の生検担当の方が、妻ののどの細胞を見て「がんのような細胞がある」とレポートされ、妻が通っていた国立がん研究センター東病院への転院を検討していました。
 なお、5週目の最後に、国立がん研究センターの妻の主治医先生が診断してくださり、「がんではないですね」との結論となりました。
 まあ、危険なところをすぐ観てくれたので、よしです。

・妻がおきた時にまずこれを見てねという質問集をまとめたFAQシートを作り、壁にはりました。

・妻の記憶がどのあたりまであるのか、について確認するため、過去の出来事の写真を一年単位でアルバムにして持っていく活動をはじめました。
 一年分つくるのに数時間かかります。意外と大変。でも懐かしいです。

・マンションの同じフロアの友人夫妻が、お見舞いに来てくれました。妻、ことのほか大喜び。お見舞いに来てくれたのはその後 記憶障害により忘れてしまったのですが、プレゼントしてくれた風船を見ては懐かしがってくれていました。

入院5週目 9/3(月)〜9(日)

・9/4(火)、大台風襲来。主に関西で、大変なことになりましたが、東京でも、東西線と京葉線が止まり、風も強いので、この日は妻のお見舞いを断念しました。

・9/6(木)、北海道地震で大停電。出張入ってなくてよかった。現地の方々と連絡とれず大変です。病院とかまじ大変ですね。妻に話したら妻も驚いていました。

・アルバムで妻の記憶をたどったところ、2016年の夏、箱根でコップを作ったイベントについて、はっきり覚えていました。
 しかしその前のイベントは忘れていたりしたので、このあたりが妻の記憶の境界線であるようです。
 ちなみに2015年のイベントはほぼ大丈夫でした。

・だんだん、妻が、自分の記憶が弱いという点について、自覚してきました。繰り返しの日々について、学習してきたのかもしれません。
 ただ、現在浦安にいるという点については、何回説明しても「えっ!」とびっくりされます。

・リハビリの一環で、名前と住所、年齢、病院の名前を応えさせる訓練をしていました。
 名前と住所は、問題ないのですが、年齢は、毎回まちまち。30歳とか、65歳とか、いろいろです。65歳は、自分の年齢を西暦で計算した結果、計算間違いしてしまい出てきた数字のようでした。(2018-1973=65 (!?) 10の位の計算間違い)

・帰宅後、妻とFaceTimeでTV電話を行い、犬のエルドと、オカメインコのぽらんの様子をリアルタイム動画でみてもらいました。妻も喜んでもらったみたいでよかったです。またやろう。


コメント

  1. 匿名 より:

    私の妻は奥様と同じ状況で倒れて、5年間植物状態になり、一度も意識が戻ることなく亡くなりました。

    奥様が意識を取り戻して本当に良かったです。奥様の生きる力に、涙が止まりませんでした。

    奥様の御回復を、心よりお祈りします。

  2. fira_ultramarin より:

    匿名様

    転院等でばたばたしていてコメントが遅くなってしまいました。申し訳ないです。
    奥様 五年間植物状態だったのですね。匿名様、ご家族様 奥様 とも、大変な苦労をされたのですね。
    自分 一週間でも相当きつかったです。心中お察しいたします。
    妻の場合は不幸にも病気にはなりましたが、その中では相当運がよかったのだと思います。
    これからの日々を大切にしていこうと思いました。