2011/7/15(金) 妻との再会

妻との日常

 

6月末に退院して以来、二週間近く 実家で療養していた妻でしたが、先週末(7月9日(土)) 日帰りで1日だけ帰宅しました。

実家では、ミキサー食(ミキサーで粉砕してどろどろにして飲み込みやすくした食事)ばっかり食べているのかと思っていましたが、実際にはミキサーを使わなくてもだいたいの食事は取れているそうです。
もちろん何でもOKというわけではなく、例えば麺類などはまだ無理。主食としては卵豆腐とか、ごま豆腐とかを中心に、飲み込みやすいものを取り、おかずを時間をかけて箸で細切れにして食べているそうでした。

かくして 私の車で妻を連れて実家から自宅に移動。実に50日ぶりの帰宅となりました。愛鳥の ぴーたん(オカメインコ)も大喜びです。

二人で久々の食事

帰宅後、西友で買い物。首の周りを手術したせいか、あまり手に力が入らないようで、買い物袋のように、肩にかつげない重い物は持てないようでした。
また、妻は以前は結構歩く速度が早めだったのですが、二ヶ月近く ほとんど歩かない生活だったせいか 相当歩く速度が遅くなりました。まあ、これは生活が普通になるにつれ、普通に戻るかと思いますが… 階段を一階分登るのも大変なようで、1分くらいかけてのんびり登る感じであります。

うちに戻った後、買ってきた食事を二人で頂きました。妻は、毎回物を飲み込む度に真上を向いていました。こうする事で、重力の力で喉の奥まで食べ物を送り、嚥下反射を起こさせるのだそうです。

普通の人の場合は、歯が食べ物を粉砕した後、舌の動きで食べ物を少し集めたもの(食塊)が形成され、半ば本能的に喉の奥まで食べ物が送られるのですが、妻の舌はおなかから再形成されたので、神経がないためほとんど動きません。そのためこのような工夫が必要なのです。
また、人肌の食べ物は嚥下反射が起きづらいので、ある程度冷やすか、または温めたものが食べやすいそうでした。

また、舌がなくなったことで、「どれくらい味覚を感じるのか?」という事が気になりましたが、意外と味が判るそうでした。確かに舌の上では味を感じませんが、口の中でも味が判るし、のどの奥でも味が判るそうです。特に酸味については前よりも強烈に感じ、少し苦手にまで感じるようになったと言っていました。
私の推測ですが、酸味は鼻で感じる部分も大きく、また舌がなくなった分 知覚の中で嗅覚が占める割合が大きくなったので、そのように感じるのではないかと思いました。
味覚の好みについては、前よりも甘味を好むようになったとの事でした。前より容易にカロリーを取ることができなくなり、かつ 現在はお酒を一切飲んでいないので、体が自然に甘い物を求めるようになってきたのでしょう。

がんつま!008「再会」

前回の退院前「がんつま!007」では、タ行の発音についてはハ行にしか聞こえなかった妻ですが、二週間で タ行もほぼ普通に発声できるようになっていたので驚きました。
もっとも、普通の人には全般的にまだまだ聞こえづらいレベルではあります。日本語ヒアリングはネイティブだが、スピーキングがあまりうまくない アニメ声の外国人、をイメージして頂ければ大体あっています。

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2011/10/19 注釈
上記の(漫画にあるような)方法だけだと、気管に入りやすいから、飲み込むタイミングで首を前に向けてね、というお医者さんのアドバイスを受けました。すみません。該当する方はご留意下さい。
http://d.hatena.ne.jp/fira_ultramarine/20111019/1318975421

 

食事が終わったのは夜9時 。
「もう帰らなきゃ。あっという間だったよ。ぴーたんバイバイ。」という事で、車で妻を実家まで送りました。

ぴーたんのこと。

妻の愛鳥、オカメインコのぴーたん(5歳半♂)です。
ぴーたん ぴーたん だいじょーぶ。おちゅかれさま。またあした。」等 10個くらいの日本語を話します。

ぴーたんは、実は 4年前のケガにより 上くちばしが半分しかありません。また、左前指の爪が一本ありません。
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ではでは!

コメント

  1. […] 2011.7.15 「妻との再会」http://elfira.net/yawata/kt/2011/07/15/post-0-25/ […]